2002.8.3
『星と夜に包まれて・sideU 〜星からの伝言〜』

これは同タイトルのsideTという作品の後編にあたる作品なのですが
これは、あえて前編と後編の作成・掲載順を逆にしました。
某小説のプロローグ・エピローグがそういった手法を用いて話にさらに深みを出す
ということをしていて、それを真似てみたくなったもので。


この街は星空が綺麗だと評判の地
その話を聞いた旅の途中の私とおんぷちゃんは、早速その日の夜
星を見に外へと出かけました。
そしてここは、見晴らしの良い丘の上にある木の上です。

おんぷ『うわぁ…さすが各地で評判になっているだけあるわね…』
ももこ『ホントだねぇ…、空に吸い込まれそう』
おんぷ『ねぇ、知ってる? 今見ているこの星の光は長い年月と距離をかけてココに届いているの、
     何億年も前の星の輝きが、今この夜空に輝いてるのよ』

そう言っておんぷちゃんは微笑んだ。

ももこ『そうなんだ…てことは、あの星は今は存在していないかもしれないって事?』
おんぷ『そう、その光と私たちは、今長い長い時を越えて出会ったのよ…』

それを聞いたら、なんだかとても気が遠くなってきそうな感じがして
そのまま私は仰向けに思い切り倒れこんだ
それを見ておんぷちゃんはクスッと笑い、一緒に倒れこんだ。
私たちは空を見上げているのか、この地を背にして空を見下ろしているのか
こうしているとわからなくなってくるね。

ももこ『星や宇宙はこんなに大きいのに、私たちってなんて小さいんだろうね』
おんぷ『本当ね、でもそんな私たちだって、気付かないうちに誰かの星になっているものよ。
    もちろん、ももちゃんだって』
ももこ『え、私も? …そういわれると嬉しい…♪』

そっか…じゃあ、私という星の放つ光は、どこで誰を照らすのだろう。
願うなら、すぐ隣にいるこの人にも光が届いて欲しい。
彼女の星でいられたら嬉しいな…。

ももこ『ねぇ、あなたに私の光は届いてる?』
おんぷ『ええ、もちろんよ♪』




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