2002.5.19
『鳥と猫U 〜その羽ばたき弾む心は〜』

前回の話に当たる〜形なき翼〜の続きですが、この二つはなんとも童話的な
今見ても他の作品より独特に仕上がった感があります。
なかなか自分の中でも興味深い一枚。


あたたかなある日のこと、猫のあいこは木の上でのんびり読書中
やがてゆっくりと空を見上げてつぶやきます。

『ん・・・、そろそろやな』

すると空からなにやら声が聞こえてきます

『うわあああ〜! バ、バランスが〜っ!!』

その声の主は小鳥のももこでした。以前空を飛べなくなってから
再び空を飛ぶために毎日練習しているのです。
その成果もあって、今ではずいぶんと飛べるようになったのですが
それでもまだ完全ではなく、バランスを崩して落ちることもしばしばなのです

『危ない!』

ガサガサガサッ!! 急に木の葉が集まりクッションに
そしてその上にももこは落ちたので怪我はありませんでした。

『ふぅ、間に合ったみたいね。無理しちゃだめよ?』
『あひゃ〜、…あ、アリガトウ、はづきちゃん…』

目を回すももこを心配そうに見つめるのは、木の精霊のはづきちゃん
猫のあいこと一緒にももこの練習を見守るお友達です
飛べなくなった最初は元気をなくしていたももこですが
今では再び大空という目標に向かって心の羽根を羽ばたかせています
彼女なら飛べるでしょう、いつか、必ず…

ですが、今はとりあえずいったん休憩です
三人の楽しそうなおしゃべりが森の中に響き渡ります…





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