2005.11.19
『精霊の詩:チェル』
小さな体にでっかい胃袋をつんだ食いしん坊妖精のチェル
大地の精霊なので、地面を揺らしたり大岩を自在に浮かばせたり凄い事が出来そうですが
どうにもそういうのはチェルに合わないので、詩のテーマもこんな穏やかに(笑)
大地があって、陸の生物はその上に暮らす
私達はずっと昔から人と身近にいた
それぞれの土地にはそれぞれ特有の環境があって
文明の発達も様々で、人々の服や習慣も土地によって異なる
そのため人とかかわり深い地の精も各地によって異なる服装をしている
また、その環境に応じて様々な食の幸が存在する 土地の数ほど存在する
くすっ、だからかな、地の精には食べる事が大好きな子が多い
地の精は時折、自分の仕える土地を離れて他の土地の仲間に会いに行く
そのときの楽しみの一つが、その土地ならではの名物料理を食べること!
もちろん私もその一人で、特にお菓子が大好き!
私はいつも幻熱燈館ていう不思議なお屋敷のお茶会に顔を出している
その理由は、館の使用人のゴシックロリータ服のお姉さんがつくってくれるお茶菓子が最高だから!
あちこちの土地のお菓子を食べたけど、彼女のお菓子にかなうものはない
だから私は彼女のことを『お菓子の妖精だな』って思うの
彼女はもちろん妖精じゃないんだけど
味にうるさい地の精であるこの私が認めたんだもの
彼女は立派な『お菓子の妖精』よ!
ほら、こうして目を凝らすと、彼女の背中に妖精の羽根だって見えそうよ
…あれれ?
い、いま、本当に羽根が見えた気が…
そんな私のことを知ってか知らずか
館のお嬢様と話していた彼女は、私に視線を移して
イタズラっぽく『うふふ』と微笑んだの
…やっぱり彼女は只者じゃないわ!