2005.11.11
『精霊の詩:ミュミュ』


もしも精霊がいるのなら、人間とはまた違った視点で世界を見ているはず。
そんなそれぞれの視点と感性で詩を書いたら楽しいだろうと思って描きました。
精霊は人間と違って不思議な力で何でも出来そうですが、やっぱり得手不得手はあるでしょう
だから、人と同じように精霊には精霊ならではの常識もあるのかも
だからこそ精霊だって夢を見ることが出来るのです。きっと


(詩)
私には小さい頃からの夢がある
それは水面に浮かぶ月の中を泳ぐこと
そんなこと出来るわけないって言う妖精もいるけど
出来ないって証明した妖精はだ〜れもいない!

でも何度も月めがけて飛び込むけれど
そこはやっぱりただの水の中
今夜もいっぱい試したけど同じだった
水中は月明かりが差し込んでいる
静かな水という静寂に包まれた
月と星々の光に照らされて 薄暗くも明るい世界
ゆらゆらと夜も眠らぬ魚と光と泡
それはそれで美しくて
私はこの光景も好き

でもやっぱり私は水面の月の中で泳いでみたいのだ
夜はあちこちの川や海や湖の水面に月が浮かんでいる
それはすべてあの宙に浮かぶ月のものだ
つまりはすべての水面に浮かぶ月は繋がっていて
たとえば私の森にある湖の月の中に入れば
三つ山向こうの幻熱燈館のお庭の水辺の月へいけるはず
友達のいる海辺の月にだっていけるはず

月の中の水中はきっといたるところキラキラで
泳いでるこっちまでキラキラになるに違いない
私には見えるんだもの その道が その姿が
もっと水の妖精の力を磨いて
今よりもう少し暖かな季節になる頃
ほら、水面月を楽しげに泳いでいる私がいる




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