■『モモとカービィ』第4話



モモがスターロッドの力により、夢の力にあふれその姿を取り戻したのも束の間
ロッドが完全復活し、夢の泉が再び蘇るこの瞬間をねらっていた、
ナイトメア・ウィザードがプププランドに急接近する!

カービィのコピー能力は『スターロッド』に変化し
同時にモモにもスターロッドの力が宿る。

『どうやら、その様子だと、もう近づいているようだな…』
息を呑むデデデ。 だが、モモは
『だいじょうぶ!! 私はミンキーモモだもの!そして同じく夢と星の力のかたまりになった
カービィとなら、どんな悪者だってノックダウン間違いなしってね!』

そういって、カービィとともにはるか上空へと飛んでいった。

最初に2人が目にしたのは星のマークがちりばめられた球体だった。
きらきらの星のカービィに反してあの闇のカタマリのような球体の黒い星は不吉な力を放っているようだった。

『ふふふ…誰かしら邪魔にはくるだろうとは思っていたよ。
まずは小手調べだ 私を包むこの悪夢を相手にどこまでもつかな?』

その禍々しい声でハッキリとカービィとモモは理解した
こいつがナイトメア・ウィザードだ。

2人はスターロッドの力を最大に引き上げ、遊んでる暇は無いというように 一閃。
スターロッドの星の斬撃は簡単に球状の悪夢を切り裂いた。

『ぬっ…! こ、これは!!!』

姿を現したナイトメアが驚き、散り散りになった悪夢の切れ端をつかんで見る。
『間違いない…スターロッドの力だ、だが、なぜだ!? 
なぜ、分断されたわけでもなく本物のスターロッドが2本存在しているんだ!!!』

『それはね…この星に住むカービィだけじゃない、私も悪夢に負けたくないからよ!!!』
モモのその叫びとともに、激しい攻防戦が繰り広げられた。
モモの力も加わりパワーアップしたロッドの力と2体1、勝負は優勢かに見えたが
スターロッドの力でも、暗黒のマントだけはその光を無効化してしまうのだ。
思うようにダメージを与えられず苦戦するモモとカービィ
時折 余裕の表情も見せるナイトメア

『だったら、ロッドの力じゃなく、私の力をヤツにぶつけてやるわ!!!!』
モモのロッドが黄色い星の輝きから、夢の力のピンク色に輝きが変わる
『えぇーーーーいっ!!!!!』
マントに身を包み、余裕で突進攻撃を仕掛けていたナイトメアに直撃
瞬間、 ナイトメアは体の自由を奪われる。

『なっ、な、なんだこの力は…夢…だと?
馬鹿なっ 今は泉も枯れ、あの星には夢を見るものはいないはず…
いや!それ以上にこの力の根源はこの世界のものじゃないッッ!!!!』

『カービィ、今よ!最大限の星の力をお見舞いしちゃえーっ!!!』
カービィがそれに応えるようにロッドを構える
すでに星の力は最大に溜められていた。

『ウッ・・・グウウウウ!!! 貴様が!貴様さえいなければ!!! 貴様はいったい…
いったい何なんだぁああああああああああ!!!!!!!!』

星の光に貫かれたナイトメアが最後に叫ぶ。

『私は…ミンキーモモ。それしか・・・私にもわからないわ』
言い終わる前か後か ナイトメア・ウィザードは跡形も無く消滅した。

■戦いが終わって

本来のカービィの世界の話、夢の泉の物語はこうして変化を得て終わりを告げた
本来のゲームのようにカービィ1人で戦っていても同じように悪夢には勝てたのか?
それはもう、誰にもわからない。
この世界はすでに変わってしまったのだから、『モモ』の登場によって。

確かなことは、この件でデデデも改心していたのだと皆が知ったこと、
本人は たまたま気まぐれじゃい! とむすっとしていたが、
そして、再びスターロッドは本来の夢の泉に戻され、毎夜この星の住人に夢を与えている。

・・・。

モモには気がかりなことがあった。
いつしか変わらずに受け継がれ続けた 『名前』と『姿』、そして『夢の力』だけが混ざり合い
命をもち、精神のみの存在となっていたモモ。
姿を手に入れたときは気にもしていなかったが、ミンキーモモとは本来なんなのだろう?
ナイトメアと戦った宇宙空間では、なにか懐かしい感じがした。故郷のような・・・
そして、直感的に 『また、悪夢と夢が戦うなんて…』と想っていた、
『また』? 以前にもそんなことがあったんだろうか、
この姿と名前を受け継いだはるか昔の少女にも…

今の特殊な存在となったモモには、わからないことが多すぎた
いったい、これからどうすればいいんだろう…

くいっ、くいっ

ん?スカートのすそを引っ張る何か…
悶々と自問自答を繰り返していたモモは ハッと我に返る
『・・・カービィ・・・』

カービィは一緒に食べよう と大きなリンゴを持ってきた。
きっとウィスピーウッズのおすそ分けだろう。
カービィの笑顔を見ていると、無条件で幸せな気持ちになってくる。

−ありがとう!カービィ!−

モモはカービィをぎゅっと抱っこする。
今はいい、このままでいい、いつか思い出せるときが来たらでいい
ただ今はこの世界で出来た友達と一緒に暮らしたい

『ねぇ、カービィ! 私、ここに住んでもいいかな?』

(夢の泉の物語編:END)







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